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大阪市住吉区あびこ駅前の肛門外科

便秘薬について

Medical

便秘薬について

便秘薬を内服するまでの過程としましていくつか考えられます。

  1. 薬局で選んで購入する。
  2. 便が出にくくなり病院やクリニックで処方してもらう。
  3. 便秘ではなかったが、何らかの入院や手術後に便秘症になり、下剤処方してもらう。

 

1のパターンが多いと思いますが、市販薬には非常にたくさんの便秘薬があり、便通改善するお茶まであります。その中から自分に合ったものを見つけるのは大変ですし、便秘市販薬の多くは刺激系下剤が圧倒的に多く、中には浸透圧性下剤やプロバイオティクス(ビオフェルミンなど)を含んだものまであります。
「便秘薬を使い続けるとよくない」と聞いたことがあるかもしれませんが、どういうことかと申しますと、便秘薬の中でも刺激系の下剤であるセンナやセンノシド、アロエ、ピコスルファートナトリウム、漢方では大黄やセンナを含むものが対象となります。刺激系下剤は大腸の筋層間神経叢に作用し、蠕動を促進し、さらに腸管からの水分吸収抑制をすることで便通を促します。必要時に時々使用するには問題ありませんが、習慣性に長期連用すると、耐性ができ徐々に効果が薄くなるため、下剤の量が増えてきます。下剤の量が増えるのも問題ですが、長年使用していると大腸にある神経叢に作用しなくなり、腸管の蠕動も弱くなり、ゴム風船の伸び切ったような状態になり、内視鏡では粘膜に沈着してきます。こうなると、刺激系下剤も効果が無くなり、他の下剤も中々効果が出ない場合もあります。また便秘が良くなるお茶も同様の成分が入っており、長期使用すると同様のことが言えます。また虚血性大腸炎の発症リスクも指摘されています。

 

 

適切な便秘薬の使用法

アメリカや日本の便秘症診療ガイドラインでは生活習慣指導と浸透圧性下剤の投与が治療の基本で、必要時に刺激系下剤を併用する方法が勧められています。

近年、慢性便秘症に対し上皮機能変容薬や胆汁酸トランスポーター阻害作用薬といって、腸管内にある水分や胆汁吸収調整をするチャンネル等に働きかけることにより、便の水分量を調節し、排便しやすくする薬があります。刺激系下剤と違い腸管自体を蠕動させるわけではないので刺激系下剤であった腹痛のようなものは比較的少ないとされております。また酸化Mgのように食後3回内服する必要なく、1日1回で自分の合った時間に内服できます(薬によっては空腹時に内服)。

慢性便秘症の方で、長期間市販薬に頼るのは危険です。薬代が高くなるのもありますが、大腸がんなど器質的な異常が隠れている場合があります。一度診察・検査を受けてください。

 

日本大腸肛門病学会 便秘について