痔核|むらやま大腸肛門クリニックおしり専門サイト|あびこ駅前の肛門外科

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痔核

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痔核(いぼ痔)の症状と原因

痔核の説明図

痔核の主な症状

痔核は、腫れや痛み、出血、脱肛などが現れる病気です。以下のような症状が見られることがあります。

  • 腫れや痛みが繰り返し現れる
  • 排便時の出血が増加する
  • 脱肛(肛門から痔が出る)が戻りにくくなる
  • 排便後、肛門に違和感を感じる

これらの症状は、便秘や下痢、長時間の座位などで悪化することがあります。

痔核の原因

痔核の主な原因は、肛門周辺の血流が悪くなることです。以下のような状況が引き金になることがあります。

  • 便秘や下痢による便通異常
  • いきみすぎや長時間の座位
  • 重い物を持ち上げる動作
  • 仕事やストレスが原因で疲れがたまる
  • 辛い食べ物やアルコールの摂取

また、血栓ができることで、腫れや痛みが強くなることもあります。

受診が必要な症状

以下のような症状が見られる場合、早めに医師の診察を受けることをおすすめします。

  • 排便時に出血が増えてきた
  • 痔が腫れて戻りにくい、または脱肛する
  • 痛みが強くなった
  • 肛門に違和感がある

早期に適切な治療を受けることで、症状の改善が期待できます。

痔核(いぼ痔)の種類と特徴

痔核にはいくつかの種類があり、症状や状態によって分類されます。それぞれの特徴を知ることで、早期の対処や適切な治療につながります。

1.脱出性痔核(だっしゅつせいじかく)

特徴

内痔核が排便時などに肛門の外へ脱出し、自然に戻らない、もしくは手で押し戻す必要がある状態です。痔核の形状・大きさ・位置・脱出の程度は人によって異なり、治療方法も個別に判断します。

補足

内痔核の脱出度は「Goligher分類」で評価され、治療方針の目安になります。

痔核が膨らんで出血している

GradeⅠ:排便時に肛門管内で痔核は膨隆するが、脱出はしない。

痔核が肛門から少しでている

GradeⅡ:排便時に肛門外に脱出するが、排便が終わると自然に還納する

痔核を指で押して戻している

GradeⅢ:排便時に脱出し、用手的な還納が必要である

痔核を指で押しても戻らない

GradeⅣ:常に肛門外に脱出し、還納が不可能である

2.出血性内痔核(しゅっけつせいないじかく)

特徴

出血性内痔核

排便時に「ほとばしるような鮮血」が出ることが多く、痛みは伴わないことが一般的です。抗血栓薬を服用している方は出血しやすくなります。

注意点

切れ痔や大腸がんなど、他の病気との見極めが必要です。必要に応じて大腸内視鏡検査を行います。

3.血栓性外痔核(けっせんせいがいじかく)

特徴

血栓性外痔核01

血栓性外痔核02

急に腫れて強い痛みが現れる痔です。外痔核内に血栓(血の塊)ができ、腫れや出血を伴います。

主な原因

長時間座る・排便時の強いいきみ・寒さや冷えなど。

4.嵌頓痔核(かんとんじかく)

特徴

嵌頓痔核

痔核が脱出して戻らなくなり、肛門の周囲が強く腫れ、激しい痛みを伴います。血栓が全周に及び、排便が困難になることもあります。

治療

早期手術か、腫れが治まってから行う待機手術かを症状に応じて選択します。どちらにも利点と注意点があります。

5.粘膜型痔核(ねんまくがたじかく)

特徴

内外痔核が花が咲いたように全周性に脱出しており、直腸粘膜の緩み(直腸脱)や便通異常を伴うことが多いです。

治療

保存療法での改善は難しく、多くの場合手術が必要です。

6.スキンタグ(皮垂:ひすい)

特徴

痔が治ったあとなどに、肛門の外側に皮膚のたるみ(余剰皮膚)が残る状態。見た目は痔に似ていますが、痛みや出血はありません。特に女性に多く、肛門の前方にできやすいです。

原因例
  • 慢性裂肛に伴う「見張りいぼ」
  • 血栓性外痔核の治癒後
  • 直腸粘膜脱
  • 肛門疾患の手術後 など
注意点

見た目だけで切除すると再発や傷の治りが悪くなることがあります。原因をしっかり見極めたうえで治療を行うことが重要です。

それぞれの治療について

保存療法(軟膏・座薬・便通改善)で改善する場合もありますが、症状が重い場合や繰り返す場合は、手術が必要となることがあります。
詳しくは「痔核の治療・手術法」をご覧ください。

痔核(いぼ痔)の治療・手術について

痔核(いぼ痔)は、患者様ごとに症状や痔の種類(内痔核・外痔核)、大きさ、位置などが異なります。そのため、当院ではお一人おひとりに合った最適な治療法を選択しています。
当院で行っている主な治療法・手術法は以下の通りです。

血栓性痔核摘出術

対象

急な腫れと強い痛みを伴う血栓性痔核

方法

血栓摘出術(単発)

血栓摘出術(複数)

局所麻酔下で腫れた部分を小切開し、血栓を取り除きます。通常は数分で終了し、日帰り可能です。

特徴

腫れを素早く軽減できます。出血や軽い痛みが数日間続く場合があります。

ALTA注射療法(ジオン注)

対象

内痔核による脱肛(主にGoligher分類 Grade II~III)

方法

ALTA注射療法(ジオン注)01

ALTA注射療法(ジオン注)02

痔核に専用薬剤(ALTA)を4段階に分けて注射し、痔核を硬化・縮小させて固定します。

特徴

切らずに治療でき、痛みや出血が少なく、日常生活への復帰も早いです。

注意点

再発の可能性があり、外痔核や重度の直腸脱には不向きです。

痔核結紮切除術(LE)

対象

痔核結紮切除術(LE)

重度の内外痔核や再発、ALTAが効果のなかった方

方法

痔核を切除し、根元の血管を結紮して根治を目指す標準的な手術です。

特徴

根治性が高く、ほとんどの痔核に対応可能。切除数が多いほど痛みや出血のリスクがやや増します。

分離結紮法(古典的結紮術)

対象

分離結紮法

内外痔核や肛門ポリープなど

方法

痔核に糸をかけて壊死・自然脱落させます。単独または他の手術と併用する場合があります。

特徴

切らずに治療可能ですが、壊死に伴う違和感やにおいが一時的に出ることがあります。

Gant-三輪法(刺通結紮)

対象

直腸粘膜脱や軽度の直腸脱

方法

Gant-三輪法

弛んだ直腸粘膜を糸で縛り、自然脱落させることで直腸を引き上げます。

特徴

痔核だけでなく奥の粘膜脱にも対応可能です。

MuRAL法(Mucopexy Recto-Anal Lifting)

対象

内痔核に加え、直腸粘膜のたるみが強い場合

方法

MuRAL法

痔核から直腸上部までを縫い上げて固定し、脱肛を防止します。

特徴

切除が必要な範囲を減らし、術後の痛みや合併症を軽減できます。

よくあるご質問(Q&A)

最後に

痔核の治療は「切らずに治す」方法から「しっかり治す」手術まで、さまざまな選択肢があります。当院では患者様の症状・生活スタイルに応じた最適な治療をご提案いたします。
まずはお気軽にご相談ください。

痔核手術後の経過

痔核(いぼ痔)の手術後の経過は、治療法や切除した痔核の数によって異なります。ここでは主な治療法ごとの術後の流れや注意点についてご説明します。

手術方法ごとの比較表

項目 ALTA療法 痔核切除術(1か所) 痔核切除術(2〜4か所)
痛み 軽度(違和感程度) 当日・翌日に痛みあり 強い痛み(1週間で半減)
出血 数日間 約2週間 約2〜3週間
治癒までの
期間
数日で違和感解消 2週間で改善、1か月で治癒 3週間前後で改善、治癒遅延もあり
日常生活
・仕事
当日から可能(仕事も翌日〜) 日常生活可、仕事は内容により翌日〜 痛みが強く、仕事復帰まで数日必要
メリット 切らないので痛み少なく回復が早い 再発が少ない 再発が少ない(複数箇所対応可能)
デメリット 適応が限られる。外痔核には不向き 切開による痛み・出血あり 切開数が多いと治癒が長引く

※治癒経過には個人差があります。特に切除部位が多い方、便通異常がある方、大きな痔核をお持ちの方は治癒が遅れることがあります。

術後の主な注意点

1. 痛みについて
  • ALTA療法では1〜2日で違和感が消失します。
  • 痔核切除術では、術後2日目頃までが最も痛みが強く、1週間ほどで半減、2週間でほぼ消失します。
  • 鎮痛剤は術後に複数処方され、必要に応じて調整します。
  • 排便時の痛みを避けるため、便通のコントロールが非常に重要です。
2.出血・粘液の付着
  • 軽度の出血や粘液は2週間ほど続くことがあります。
  • 縫合糸が自然に脱落する7〜14日目頃に、一時的に出血が増えることがあります。
  • 創部が多い場合、一部が治りにくく裂肛のようになることがあり、追加処置が必要になることもあります。
3.便通管理
  • 排便を我慢すると便が硬くなり、肛門に負担がかかります。
  • 「バナナよりやや柔らかめ」の便が理想です。
  • 必要に応じて便秘薬や整腸剤を調整します。
  • 辛いもの、油もの、アルコール、乳製品などは控えめに。
4.日常生活・仕事・運動
  • 家事や軽い動作は当日から可能ですが、術後2〜3日はできるだけ安静に。
  • デスクワークや長時間の座位・運転は術後1週間は控えるのが理想です。
  • 仕事復帰は症状や仕事内容に応じて、2〜3日後からが一般的です。
  • 激しい運動や遠距離の移動は、創部が安定する1か月以降がおすすめです。
5.治癒までの目安
  • 約2週間で多くの症状が落ち着き、1か月程度で治癒します。
  • ただし、痔核の数が多い方、便通が安定しない方、免疫力が低下している方は治癒が遅れることがあります。

最後に

痔核手術後の経過には個人差があり、無理をせず、自分の体調に合わせた生活が大切です。不安な症状があれば、早めにご相談ください。

痔核手術Q&A

手術前後の疑問点を解消

痔核手術後は創部の安定に約2週間を要します。その間、無理をせず安静を心がけてください。以下、痔核手術(特に痔核結紮切除術、LE)に関するよくある質問と回答をまとめました。

まとめ

手術後の生活には注意が必要ですが、しっかりと対策をとることで早期回復が期待できます。ご不明点があれば、いつでもご相談ください。お一人おひとりに合わせたアフターケアを行っております。

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