大阪市住吉区あびこ駅前の肛門外科

コロナ禍になり、やたらと「腸活」や「腸内フローラ」、「腸内免疫」、「善玉菌」などの用語がTVや雑誌、SNSなどで飛び交っており、様々な乳酸菌飲料やサプリメントが出ております。「腸」に注目が集まっている理由は、外からの細菌やウイルスに対する抵抗力（免疫力）をつけるところとして、多くの免疫系があるからです。多くの生物や人間は無菌・無ウイルス状態では生きていけません。細菌やウイルスは口や鼻・目などから入ったり、食べ物にも少なからず混じっております。直接触れるような皮膚や粘膜は免疫系が発達しております。無菌状態で一生過ごすことはまず不可能に近いです。今回コロナ禍で私が思い知ったことは、新型コロナウイルスは恐ろしいウイルスでしたが、その後皆さんがワクチンを摂取したり、新型コロナに罹ったりして、免疫を持つようになり、重症化する方も減ってきました。その反面抗コロナウイルス対策で他のあらゆる細菌やウイルスをも長期間防御し続けてきたことで、それらに対する免疫力（抵抗力）が弱まり、いざマスクを無くしたところ、一気にインフルエンザや帯状疱疹ヘルペス、感染性胃腸炎などの感染症が広がり、また胃腸の不調や咳や頭痛、めまいなどが長引くような後遺症も多く見かけます。腸管免疫低下から引き起こす胃腸関係の主な症状や疾患としては

• 便秘
• 下痢
• 過敏性腸症候群（便通異常・腹痛・腹部膨満・ガスが多い、すっきり出ない）
• 機能性ディスペプシア（胃痛、胃もたれ、むかつき、お腹が張る、食欲低下）
• 感染性腸炎（カンピロバクター、ノロウイルス、黄色ブドウ球菌、O-157など）
• 大腸憩室症（腹痛、出血、便通異常）
• 虚血性大腸炎（急な腹痛、血便、下痢、便秘）
• 炎症性腸疾患：潰瘍性大腸炎・クローン病など
• 大腸癌・胃癌
• 慢性胃炎、ヘリコバクターピロリ胃炎

等々

腸管免疫が低下する原因は様々あり、食事・運動・ストレス（睡眠）などありますが、一番の大事なのは食事だと言えます。よく便秘などの便通異常改善するのに「何を食べればいいですか？」と聞かれます。野菜中心の食物繊維の多い食事、タンパク質も豆腐や大豆、納豆などの発酵食品など健康的な食事をしていますが、なかなか便が出にくいですと言われます。また発酵食品（特にヨーグルトや乳酸菌飲料など）を毎日摂ってるのによくならないという方も多いです。
わたくしは基本的にはお勧めする食品よりもバランスよく食べてくださいと言います。それよりもむしろ『減量した方がよい食品』について説明しております。それは健康に良い食品と思っているものが実は健康に良くない食品・添加物が含まれている場合があります。代表的なものは加工肉（ハム、ソーセージ、ベーコン、ウインナー等）、小麦製品（パン、麺類、ピザ、お菓子類等）、乳製品（牛乳、チーズ、バター、ヨーグルト等）などです。普段よく食べる食事ばかりですよね。ヨーグルトも意外と思われるでしょうが、これらすべてがダメだというわけではありません。これらは基本加工食品が多いですが、加工食品は品質保持・比較的保存が効く（カビなどが発生しない）ように様々な添加物が入っております。コンビニやスーパーで販売されている多くの加工・保存食品に入っております（実はコンビニおにぎりや菓子パンも）。それらを我々は毎日のように食しており、当然虫も食べないようなものを毎日のように食べると体に良くない物質がチリと積もれば・・・
というわけで現代人は添加物の入った食事を毎日していることであらゆるアレルギー疾患や免疫疾患、その果てに癌化などに発展していくわけです。
オーガニック食品もすべてが無農薬ではありませんが、減農薬もあります。毎日そのような食事ができればいいですが、食費もかかり、すべてというわけにはいきません。でも少しでも食事が作るのが面倒でも毎日出来合いものばかりを食べない、3食加工食品や小麦製品を食べないなどすることが疾病予防に大切かと思います。
そんな中で添加物に関してどのような食品に含まれているかを詳しく書いている本があります。当院でも待合室や診察室にもおいており、このような食品はできるだけ減らした方がいいですよと説明させていただいております。私も読んでみて意外なものが多く、体に良いと思っていたものまでありビックリさせられました。

次回は小麦製品の何がダメなのかを詳しく説明します。

「痔の日帰り手術」と麻酔を使った「胃カメラ」「大腸カメラ」のクリニック　医療法人村山会 『むらやま大腸肛門クリニック』

肛門外科 / 内視鏡内科 / 消化器内科 / 内科
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