スキンタグ(skin tag)について-手術は必要か-
- 2021年7月15日
- おしりの病気
肛門のスキンタグ(skin tag)は肛門皮垂・肛門周囲余剰皮膚などとも言われます。肛門の外に出ている状態で、軟らかく、基本的には痛みや出血はありません。自覚症状としては疣がずっとあり、違和感がある、排便後に便が付いて拭きにくいといわれる方が多いですが、ほとんどが無症状です。
患者様は切ってほしいといわれる方に対し、肛門外科医である私としては、「スキンタグができる原因は様々あり、切ると痛みもありますが、再発などもあり安易に切除をお勧めしません」といいます。理由は後述しますが、まず肛門の表面のスキンタグのみで判断せず、必ず肛門鏡や触診をして、肛門直腸内部まで観察し、スキンタグの原因や切除する適応があるかどうか判断します。
また美容外科などではスキンタグ(肛門皮垂)を自由診療として20万円くらいで切除をしているところなどもあるようですが、肛門専門医である私からすると、はたしてスキンタグのできる原因・理由をわかっていて切除しているのかなと思ってしまいます(ちなみに保険診療で切除すると、大きさや切除範囲・原因にもよりますが、3割負担で5千円から3万円以下です)。
なぜ一般の肛門外科医は積極的にスキンタグを切除したがらないかというと、切除してもまた出来る(再発する)可能性があるからです。経験豊富な肛門外科医はスキンタグを切除しても、再発したり、また新たなスキンタグができたり、切除した部位の治癒不良を経験しているから、安易に切除したりしません。例えば切除した部位の両端が腫れる、切除した傷が中々治癒しないなどよく経験します。今の状態で悪くなさそうなのに無理にお願いされて切除したところ、切る前以上に腫れたりした場合、患者様の苦痛が増し、医師への不信感にもなる可能性もあります。またこのスキンタグ部分は切除すると皮膚と同じで痛みがある部位なので術後痛みます。美容外科などではレーザー治療で傷がきれいになり、痛くないとアピールされているクリニックもありますが、切ることには変わりないので切除後の痛みは同じと思われます。たかがスキンタグですが、手術は慎重に検討した方がよいです。
次の項で「スキンタグのできる理由」について主に4つの原因が考えられ、それぞれ説明いたします。
「痔の日帰り手術」と「胃カメラ」「大腸カメラ」のクリニック 『むらやま大腸肛門クリニック』
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