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帯状疱疹ヘルペスウイルス ー帯状疱疹は皮膚だけの疾患ではない!ー

帯状疱疹は胸や腹部、腰、顔面など片側に広範囲にできる水疱や湿疹、痂皮を帯状疱疹と思っておられると思いますが、実は皮膚以外の所にも発症します。肛門もそうですが、粘膜をはじめあらゆる臓器などで発症します。このことは一般の方だけでなく医者も知らない方が多いです。皮膚以外の症状を別表でまとめました。最近ではジャスティン・ビーバーがRamsay Hunt症候群といってこのウイルスが原因で起こる顔面神経麻痺になったことで有名ですね。胃腸症状としては胃痛、胃もたれ、むかつき、みぞおちの痛み、つかえ感、食欲低下、便秘、下痢、腹痛、腹部膨満、ガスが多い、すっきり便が出ない(残便感)などがあります。肛門症状では肛門痛をはじめ痒み、粘液が付く・湿った感じ、便が漏れる感じ、違和感、残便感、出血などがあります。また肛門症状(痔など)とともに便通異常も同時に起こしことも多いです。痔核や裂肛・痔瘻などは便通異常(便秘・下痢)が原因で発症すると一般に言われておりますが、実際はヘルペスウイルスが原因で便通異常と肛門症状が同時に起こっている可能性もあります。

しかしながらこれらの症状が帯状疱疹ヘルペスウイルスで本当に発症しているかどうかを確認する検査法が現在の所ほとんどありません。例えば目視できる皮膚の水疱部分を採取して抗原検査やDNA検査して診断する方法がありますが、水疱など見える炎症部分がなく、まして内臓などの部位の検体採取は侵襲を考えるとほぼ不可能です。また血液検査で抗体検査法がありますが、既往感染の方がほとんどであるため、ほぼ全員が陽性となるのと、また抗体陽性とわかってもその症状が果たして帯状疱疹ヘルペスウイルスからの発症であるのかは証明できません。結局のところヘルペス発症を疑う患者に抗ヘルペスウイルス薬を投薬して、湿疹や疼痛や別表のような胃腸症状が改善するかどうかで判断することになります。ただし、発症して慢性症状(昔からの便秘や慢性疼痛など)の場合は、抗ヘルペス薬を内服してもあまり改善しない場合が多いです。

帯状疱疹ヘルペスウイルスがこれほどまでに全身に症状がでると私が実感したのは実はコロナ禍になったことが要因です(参照-帯状疱疹がコロナ禍に増加した理由-)。当初は殿部や肛門周囲などをはじめ腰部・胸部などの典型的な帯状疱疹・びらん湿疹に対し、抗ヘルペス薬を投与しておりましたが、そのような患者は同時に胃の調子が悪い、便秘や下痢、腹痛がある。めまい・頭痛・口内炎、頻尿がある、肛門痛以外に腰痛や坐骨神経痛などもありましたが、そのような症状も抗ヘルペス薬投薬により改善するのを度々経験したからであります。さらに他の診療科の領域の症状や疾患まで聞いてると皆さん大体同じような病気になっていることが非常に多く、それらも帯状疱疹と関係性があるのではないかと思われました。ヘルペスウイルスが原因であると判定したいのですが、上記で書いたようにそれがなかなか難しく現在の所有効な検査法はありません。

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